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スクールの考え方「第六回」

トラウマからの開放

幼い頃のつらい体験が心の傷となって、心理的成長に影響を与える心的外傷(トラウマ)の考え方は、それを極端に一般化すれば誰もが心の傷を持つ被害者になってしまいます。幼児虐待や育児放棄などの特殊な例を除けば現在十三万人を超える不登校の子供達の多くはトラウマを持った患者とは言えないでしょう。

ではなにが原因となって彼らは動けないのでしょうか。それは物の見方、考え方と関係があります。コップ半分のジュースを見た時、まだ半分あると思う人と、もう半分しかないと思う人がいるように、人の見方によって気持ちが異なります。気持ちは、事実によってではなく、それを見て、考える仕組みによって変化するのです。成績優秀のA君は、期末テストの成績が思ったほど良くなくて落ち込んでいます。A君より下位の成績のB君は元気です。実はA君は次のように考えているのです。

「テストの結果が悪かったので、先生や両親は自分を駄目な奴と思うだろう。そしてみんながそのように考えるのも無理はない、確かに自分は周囲の期待に応えられるような立派な人間ではない。きっと自分は駄目な人間に違いない。」

A君は朝起きようとすると気分が悪く登校を渋ります。彼はテストの結果が、気分が悪い原因だと思っています。周囲の人たちは、「そんな事ぐらい気にするな。君には他にも立派な能力があるじゃないか。」と励ますのですがなかなか動きません。彼がテストの結果を認識する過程の中で、人はこう思うだろうと勝手に類推したり、自分に対する低い評価をする事が、感情を不安に落としいれるのです。彼は「成績が良ければ将来きっと幸せになれるに違いない」という思い込みを持っているからこそ、そうでない事実を受入れられずに悩んでしまうのです。

頭でっかちの完璧主義は、「きっと~に違いない」、「~であるはずだ」という一見、正当に思える思い込みを持っていますから、そうでないと駄目だというマイナス思考を引き起こすのです。一歩間違うと人格の否定にまでつながりかねません。そうなると学力をつければ問題解決とはなりません。

不登校の子供達の問題は、「学校へ行く、行かない」と言ったったレベルのものではありません。緊張場面に出合うと、否定的、消極的、悲観的な考え方をしてしまう事が問題なのです。わずかな矛盾を受け入れられない純粋さや、小さな欠点を許せない理想主義は、自分を苦しめる事になりかねません。思い込みから来る心がいつも同じ事ばかり、否定的側面ばかりに支配される状態をとらわれといいます。

どうすればとらわれから開放されるのでしょうか。まずリラックスする事を考えて下さい。リラックスは何も思わない事なのですが、現実にはなかなか難しい事です。「今から3分間なにも考えないで下さい。」というリクエストに答えられる人は、少ないはずです。リラックスするには、ある事に一心に集中する事です。坐禅で息を整える事だけに集中した後「ホッ」とするのは、リラックスを生むからです。写経や下坐業も一生懸命する事もリラックスする効果的な方法です。緊張とリラックスを日常生活に工夫して取り入れ、生活にリズムをつけると、マイナスに傾いていた心も、ニュートラルになり、喜怒哀楽が自然に出てくるようになります。

次のステップは行動・実践です。人の目を気にする人たちの多くは、他人から良く見られたいという願望が非常に強く、現状の自分を認められません。「人が悪口を言っているのではないだろうか」、「みんなは私の事を迷惑に思っているのではないだろうか」、周囲の視線がストレスとなり、弱い自分を責めたり、そんな自分に育てた親を怨んだりします。視点のポイントを変える練習が必要です。外に出て人に会ったために、こんなに苦しい思いをしたと感情を重視してしまうのですが、きつくても朝起きた事、苦しくても電車に乗れた事、つらくても人と話が出来た事、実践をする習慣を身につける事です。

人が変わるという事は、性格を変える事ではありません。おとなしくても積極的、神経質でも肯定的、楽観的な人はいます。思い込みによるとらわれから開放され、見方、考え方が明るく、前向きに、行動が積極的になる事が変わるという事なのです。つらい事があったが、あれはあれで意味があった。上手くいかなくてもやってみるか。将来は多少不安だけど何とかなるさと、少しずつ変わる事は大変な事なのですが、焦らず時間をかけて取り組む事です。過去に肯定的、現在に積極的に、未来に楽観的な見方・考え方が出来れば最高です。

人は、自分で考えて決めてやろうとした事はたとえ苦しい事があっても、何とか耐えられるものです。嬉しい時には笑い、苦しい時には泣く、当たり前の毎日が幸せなのです。今、朝起きれない人も、起こされたら起きる。なるべく自分で起きるようにする。それが出来るようになったら人より早く起きてみる。そして人より早く起きて人を起こしてやる。優しさ・思いやりは実践を伴った他者への貢献です。自分に偏った関わりから、自他双方を考えた関わりを持つ事が出来るようになれば、より良い調和とたくましさを生むでしょう。
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テーマ : 子供の教育 - ジャンル : 学校・教育

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